今回紹介したいのは、もう5年以上前に訪れた美術館です。富山市を旅した際、少し時間があったので立ち寄ったのだが、非常に強く印象に残る場所だった。
2025年に米ニューヨーク・タイムズ紙が発表した「今年訪れるべき52カ所」に富山市が選ばれ、この「富山市ガラス美術館」もおすすめのスポットとして紹介されていた。
訪れた当時はまだ観光客もそれほど多くなかったが、世界的なニュースに取り上げられてからは、きっと入場者も増えていることだろう。
ニュースで知ったのだが、設計は隈研吾さんということで、施設全体がアートである。決して大きな美術館ではないが、機会があればぜひ再訪したい場所の一つです。
以下は、当時書いてあったものを添削した文書です。
富山市に出かけた際、ランチに名物の「富山ブラックラーメン」を食べようと検索したお店へ。しかし、なんと「本日休業」ということ。
気を取り直して、お隣のカレーライス専門店へ入った。注文したシーフードカレーはイカや野菜がゴロゴロ入っていて、美味しかった。旅先での予期せぬ出会いも、またいいですね。
ランチを終えて少し時間があったので、すぐ近くにある「富山市ガラス美術館」を見学することにした。

■ 街の中に現れる、美しい複合施設
場所は富山市の繁華街「総曲輪(そうがわ)」の南側。富山市図書館とガラス美術館が併設された、新しくスタイリッシュな建物だ。
建物の2階・3階が図書館、4階から上が美術館になっている。館内はふんだんに木が使われており、開放的な吹き抜け構造がとても贅沢。施設全体がとても明るく、心地よい空間が広がっていた。
■ 4階:光と屈折が織りなす現代ガラスの世界
美術館の入口は4階にある。入館料は200円と、とても手軽なのが嬉しいところ。
一歩足を踏み入れると、薄暗い展示室の中に美しいガラス工芸品が並んでいる。作品はケースに入れられておらず、間近で見ることができるのがうれしい。
ガラス美術館と聞くと、アール・ヌーヴォーの「ガレ」や「ドーム兄弟」といったヨーロッパのアンティーク品をイメージするが、ここは「現代ガラス工芸」の展示がメインで、骨董的なものとは展示していない。
見た目の造形は陶芸作品に似ているが、素材がガラスだからこそ「透明感」がある。まさに、光と工芸品のコラボレーション。 鉛筆状の作品の見る角度を変えると、上の色部分が大きくなったり小さくなったり。ガラスの反射や屈折率を巧みに利用した作品の数々は、見ていて楽しい。
展示室の外側には花瓶やグラスなども展示されており、実用的なデザインとしての側面も楽しめる。


■ 6階:巨匠デイル・チフーリ氏の圧倒的な空間芸術
続いて、吹き抜けのエスカレーターを上がり、6階の展示室へ。 ここでは、現代ガラス美術の巨匠デイル・チフーリ氏による、空間そのものを作品とした「インスタレーション(空間芸術)」が展示してある。
入口では、炎とも風船ともとれる独創的なオブジェが頭上から吊るされている。 先に進むと、長い青色のガラス棒が何本も直立し、まるで不思議な「青い竹林」のような空間の作品。ガラスの特性を存分に活かした、見事な表現だ。
そして、順路に従うと少し暗い展示室になる。そこに現れたのは、大きな木製の船と、大小さまざまな真ん丸のガラス玉。 色も、大きさも、模様も異なるガラス玉が、船の上にぎっしりと敷き詰められ、周りにもぽつぽつと点在している。作品全体のスケール感はもちろん、1個1個のガラス玉がとにかく綺麗で、「手のひらサイズのものを、ひとつ持って帰りたい」と思ってしまうほど面白かった。遠くから全体を眺めても、近くに寄って細部を覗き込んでも、それぞれ違った美しさがある。
■ 圧巻の「グラス・アート・ガーデン」
さらに次の部屋へ移動すると、この美術館のハイライトとも言える「グラス・アート・ガーデン」の作品がある。 まさしく、ガラス工芸、光、そして空間を惜しみなく使った大作である。
黄色、赤、青、緑……様々な色彩で飾られた作品は、見る角度を変えるたびに新しい発見がある。光と作品が溶け合う様子は、まさに色鮮やかな「ガラスの庭園」そのもの。 残念ながら、陶芸作品ではここまでの透明感とスケール感を持った作品は難しい。
普通の美術館だと「ふ~ん」と通り過ぎてしまうような場所でも、この作品の前では足を止め、いつまでも眺めていたい、そんな気持ちにさせられた。
■ もう一度ゆっくり訪れたい、お気に入りの場所に
久しぶりに面白い美術館に出会えて気持ちが軽くなった。併設する図書館も斬新なデザインで、おすすめ美術館になった。
今回はあまり時間がなく、最後は少し駆け足になってしまったのが心残り。「もう一度、時間を忘れてゆっくり訪れてみたい」 心からそう思わせてくれる、素敵な施設との出会いでした。








